運命


私の人生を変えたあなた。

 

「お疲れ様です」

 

私があなたを見つけると同時に、あなたは少し嬉しそうな表情で声をかけてくれた。

最後に言葉を交わしてから2ヶ月後、彼は待ちぼうけを食らい廊下に立っていた。

 

「お疲れ様です。どうされたんですか?」

 

こちらの会社の手違いで1時間ほど待ち時間が出来たらしい。

お詫びをし、私は彼が立っている先の倉庫から段ボールを取り出そうとした。

 

「これですか」

 

そう言い段ボールを担いでくれたあなた。

半笑いで顔をしかめ「重い、重い」と言いながら入り口に並べてくれる彼を見て、私は思わず笑った。

 

彼の横で荷解きをしながら、二人で色々な話をした。

 

あの服屋はいつも覘くけど個性的で買うものがない、

心が病んだ時は一人で暗い場所に籠る、一人でいるのが好き。

 

あーわかる。

 

お互い相手が年下だと思っていたけど、私たちは同い年だった。

お互い結婚していること、彼には子供がいることを知った。

奥さんとはあまり仲が良くないらしい。

 

彼はフットサルをしていると話してくれた。

 

彼と話をしていると、心地よくて楽しくて、なぜかとても安らげた。

 

「あまり笑わない人だと思っていたけど、よく笑うんですね」

彼は私にそう言った。

 

「それで、いつご飯行ってもらえるんですか?」

彼は私に明るい雰囲気で聞いた。

 

「行くのは良いんですけど、変な噂になりたくないから周りに話さないでください」

そう言って、私は彼に連絡先を教えた。

 

 

この時の私は、あなたをこんなに愛するなんて想像もしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 


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